日本の地域には森林がいっぱい
日本は世界的にみても豊かな森林国
日本は国土の約2/3を森林が占める世界でも有数の森林が豊かな国です。
そして森林には、EJECの事業とも関わりの深い「防災」に関係する様々な働きがあることが分かっています。
山地災害防止機能・土壌保全機能
森林は、樹木の幹や枝葉により雨が降った際に地表に直接降りかかるのを防いだり、地表が下草、低木などの植生や落葉落枝により覆われることで、雨水等による土壌の浸食や流出を防いでいます。
また、樹木が地表に根を張り土砂などを固定することで土砂の崩壊を防いでいます。
《山地災害防止・土壌保全の機能》
・表面侵食防止
・表層崩壊防止
・その他の土砂災害防止(落石防止、土石流発生防止・停止促進、飛砂防止)
・土砂流出防止
・土壌保全(森林の生産力維持)
・その他の自然災害防止機能(雪崩防止、防風、防雪、防潮など)

間伐されて下草の生える山は土砂流出を防ぎます
水源涵養機能
森林は、降水を樹木の幹や枝葉、下層の植生で受け止め、その一部を蒸発させた後土壌に蓄えます。
森林の土壌は、隙間に水を貯え徐々に地中深く浸透させて地下水として涵養するとともに、時間をかけて河川に送り出します。
このように、降水が一気に流れないような森林の仕組みがあることで洪水を緩和するとともに水質を浄化しています。
《水源涵養の機能》
・洪水緩和
・水資源貯留
・水量調節
・水質浄化

森林があるからきれいな水がある!
地球環境保全機能
近年、地球温暖化による気候変動により異常気象の増加、豪雨など災害の激甚化(げきじんか)の懸念が大きくなっています。
二酸化炭素は主要な温室効果ガスであり、人間活動によるこれらの排出が地球温暖化の要因となっています。
森林の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収し、炭素を貯蔵することにより地球温暖化防止にも貢献しています。
また、二酸化炭素を吸収した木材を建築物などで利用することにより、炭素が長期間貯蔵されます。(二酸化炭素として放出されない)
つまりは、森林の機能で気候変動による豪雨や台風などの異常気象の発生を抑制することが期待されます。
《地球環境保全の機能》
・地球温暖化の緩和(二酸化炭素吸収、化石燃料代替エネルギー)
・地球気候システムの安定化

温室効果ガスである二酸化炭素を固定します
残念ながら、全ての森林が上述したような防災に関する機能を発揮しているとは言えない状況です。
それどころか、手入れがされていない人工林などの森林は、荒廃して土砂崩れなどの原因になるケースも見られています。。。
木を伐採することは自然破壊になると考えられる方もいらっしゃると思います。
確かに、天然林・自然林をどんどん伐採して更新しなければ、その分森林面積は減少し二酸化炭素の吸収量の減少、そこに生物が暮らせなくなり生態系の破壊や質の低下、土砂災害の増加など自然破壊になってしまします。
しかし、人工林では、植栽した木を間引きして密度を調整する「間伐(かんばつ)」といった手入れを行わないと、木立の間に日光が差し込まず下草が生えないなどにより土壌が失われたり、土砂崩れの原因となったりします。
また、適切な伐採が行われないと、新しい木が植えられず高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つ多面的機能の低下につながってしまいます。
そこで、森林(人工林)を元気にするため、「植林」→「育成(間伐などの手入れ)」→「(成長した木を)伐採」、そして「利用する」というサイクルを回していくことが重要です。
それによって、健全な森林の育成とともに住みやすい環境と資源を持続的に得ることができます(いわゆる、バランスのとれた状態)。
木を使うことで上流に位置する山や森林が元気になれば、そこから流れる水によって作られる川、下流で人々が暮らす街での減災・防災につながります。
木の活用例
木は家や家具などの材料としてたくさん活用されているほか、近年ではその機能性から新素材などさまざまな用途での活用が期待されています。
山で育った大きな木は、板や柱などになるほか、残った端材は細かく砕いて粉状の木粉にすることで 余すことなく利用できます。
木粉は吸水性や消臭性に優れるため簡易トイレの材料になるほか、樹脂に代わる資源としての活用も広がっています。

木の活用の流れ
持続可能な開発目標(SDGs)においても、具体的に取り組みが求められる中、さまざまな商品の材料として、「自然に優しい素材」が求められています。
工業材料や新素材としても注目される木粉って一体どんなものなのかさらに調べてみました。
木粉とは
読み方
漢字では木(き)に粉(こな)と書き「木粉」です。読み方は「もくふん」と読みます。
英語では木(Wood)に粉(Powder)と書き「Wood Powder」です。
一般的には「ウッドパウダー」と言った方がイメージしやすいかもしれません。
大きさ
「おが粉」と「木粉」がよく混同されますが、一般に、木粉はおが粉よりもさらに小さく、粒子の形状が安定しています。
細かい粒度の木粉は、まるで「きなこ」のようです。
「参考」:木片粒子の大きさによる名称区分
・チップ :5mm以上
・おが粉 :1mm~5mm
・木粉 :1mm(1,000μm以下)
木粉の機能
基本的に材料である木材の性質・機能を持っています。天然・自然素材ですので安心安全です。
①吸水性
粉体のため表面積が大きく、水分を吸着する性質があります。
②消臭性
粉体のため表面積が大きく、臭気などを吸着する特性があります。
③断熱性
木材はかさ比重が小さいため熱伝導率が小さい特性があります。
④抗菌性
木材に含まれている成分により菌の繁殖を抑える効果があります。※樹種によります
⑤生分解性
木材は自然環境下では腐朽する素材です。※他素材との混合・混錬により耐腐朽性の付与も可能です
木粉の活用方法
さまざまな用途に用いられる木粉の、代表的な活用・加工方法は下記の通りです。
①混ぜる
木粉は粉末のため、他の素材と混ぜ合わせることによって「木の性質の付与」「増量材」などに使用できます。
②成分の抽出
小さくなることで表面積が大きくなるため、木質に含まれる成分抽出や化学反応を行いやすくなります。
③成分の吸着
湿気を吸着する調湿材となる、臭気を吸着して消臭剤となるなど吸着基材としての適性があります。
④基材
かさ比重が小さく表面積が大きい特性は断熱や吸音性能があり、各種基材としての適性があります。
まとめ
木粉は、多様な機能を持ち、さまざまな活用可能性のある自然素材です!
いろいろな用途に木粉が活用され、木材の利用や山林の管理が促進されるといいですね(^^)
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